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無農薬栽培のリンゴ,腐らないリンゴ

時々読んでいるネット上のコラムで,「思索の副作用」がある。(記事全文を読むには日経 Tech-Onの会員登録が必要かもしれない)

そのコラムの「スチュワーデスが見える席」と題した記事の中で,青森県在住の農家、木村秋則氏が栽培する無肥料無農薬のリンゴが話題になっている。木村さんは現代のリンゴ種を無肥料無農薬で栽培することに大変な苦労をされたようで,NHKの「プロフェッショナル」という番組にも取り上げられたのだそうだ。

だが, 私の気を引いたのは, 木村さんの苦労話ではない。

その「奇跡のリンゴ」に関して, 世間の人が(植物本来の力があって)「腐らない」,ひいては「だから安全」,「だから体にいい」という評判が出ていると言う。(私は 調べてないけど,記事によると)

筆者は,無批判に「自然のものは 良い」と言う世評を「理系」の立場から危惧している。

こうした研究から推測できるのは、「腐らない」ということは、奇跡のリンゴが他のリンゴより、自己合成した殺菌物質や農薬様化学物質を多く含んでいるのではないかということである。あくまで仮説であって断言できることではないが、そう疑ってみなければならないと思うし、少なくとも「植物本来の力があるからおいしい、体にいい」などという評判を無邪気に信じてはならないと、理系である私は思う。
専門家と呼ばれる理系の方たちも同じ思いを抱いているのではないかと思う。たとえば、こんな調査結果があるらしい。いろいろ調べたが出典がわからないので、とりあえず記事に記載されている数字をそのまま挙げてみると、発ガン物質含有に関する調査で主婦とガン免疫学者の捉え方について比べたところ、主婦の43.5%が食品添加物を「発ガン性が高い」と答えているのに対し、免疫学者はほんの1%しかそうは答えなかった。農薬は主婦が24%で免疫学者が0%。一方で普通の食品では、主婦の0%に対して免疫学者の35%が発がん性を指摘している。専門家からすれば「認可されている農薬や食品添加物は、その安全性が確認されているので安心だが、普通の食品にはどんな物質が含まれているかが不明で不安」ということになるのだろう。

私に食品添加物を擁護する義理は無いのだけれど, 「人工の物は悪いもの」という感覚は, 単純すぎではないかと思う。(そもそも, どこまでが自然でどこからが人工なのかも問題)

私は, あるテーマがマスメディアによって焦点が当たると, そのメリット/デメリットのバランスを無視して世論が形成されるように感じている。マイナスイオンやトルマリンやゲルマニウムが 意味不明にもてはやされたり, (トルマリン鉱石も多少発している)放射線や(生物としての人間が一番の発生源である)環境ホルモンが必要以上に疎んじられる現象は, 現代社会が生み出し・利用しているその他のもの(放射線, 化学物質, 交通システムなど ) の便益/危険に考えが及ばず, 一つの話題が頭にインプットされたらそれしか考えていないせいである。

情報過多の時代だからこそ, 思考停止に陥りやすい。要注意。

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